労働基準法改正で知っておくべきポイントは3つです

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2017年に大きな話題になった「働き方改革」。
政府は、この「働き方改革」を進めるにあたり労働基準法の改正を行うことを検討しています。
では、具体的にどのような改正が検討されているのでしょうか。
また、それらを踏まえて現場としてはどのようにマネジメントを変えていくとよいのでしょうか。
特に重要な3つのポイントに焦点を当ててみました。


残業時間の上限が規制

これまで、労働時間の上限は実質的に“無制限”でした。

今回の改正で、たとえ三六協定を締結していたとしても、残業の上限を99時間未満+2~6か月平均で80時間以内におさめる、というルールに変更になります。

[三六協定]
労働基準法は労働時間・休日について、1日8時間、1週40時間(第32条)及び週1回の休日の原則(第35条)を定め、これに対して同法第36条は「労使協定をし、行政官庁に届け出た場合においては、(32条、35条の規定にかかわらず)、その協定に定めるところによって労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる」

チームメンバーの労働時間を毎月管理することはもちろんですが、抜けがちなのは「2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、どこをとっても平均80時間以内におさめねばならない」という視点です。

たとえば、ある部下が繁忙期の10月に「90時間/月」の残業が発生するとします。

すると「前月の9月」と「翌月の11月」は残業を60時間程度におさめなければ「平均80時間以内」というルールに反します。

つまり、マネジャーは1か月の労働時間だけでなく、その前後の月の働き方も意識する必要があるのです。

10月は予定どおりとしても、11月に突発的な対応が入ってしまうこともありえます。

そんなときでもきちんと平均時間をルール内におさめるためには以下のことが必要です。

・年間で残業時間の目安の計画を立てておく
・各月の残業時間の目標をあらかじめ少なめに設定する
・少ない残業時間でも仕事が進むよう、仕事の仕組みを変える

年5日間の有給休暇取得が義務付け

日本の有給休暇取得率は48.7%です(厚生労働省・平成28年就労条件総合調査)。

この数字は海外と比べても非常に低く、韓国などを下回って世界最下位だという調査もあります。

政府は今回の改正で、年5日の取得を義務付けることで取得率の向上をはかります。

「年5日は多すぎる!」とマネジメント上の難しさを感じている場合、には以下の対策をしましょう。

・年度のはじめに、年5日以上の有給休暇を計画する仕組みを作る
・「有給休暇取得奨励日」を作る(年末年始やお盆休みを事実上少し長めに設定する)
・マネジャーはメンバーの計画を見て、仕事の優先順位や担当割り振りを決める

「日数が多い」「休みにくい」のは、あらかじめ計画に入っていなかったから、という裏側の心理があるため、計画に入れることが解決策になります。

一方、「チームメンバーが休みたがらない」という場合はどうしたらよいでしょうか。

こうした発言の裏には「休んでもやることがない」「あまり休むと評価されない」といった心理が隠れています。

こうした場合は以下のことを行います。

・メンバーとの面談で、成長のために「会社以外で」学ぶこと・挑戦することがないかを探る
・仕事で成果を出し続けるために、身体を定期的に休めることの重要性を伝える
・社外でのインプットが評価される(有給休暇を取得しないことが評価に響く)

また、「仕事に追われて休めない」「休み中に仕事を任せられる人がいない」と言うメンバーもいるでしょう。

こうした場合には、

・仕事が属人化している可能性が高いので、仕事内容と進め方を一緒に整理する
・一つひとつの仕事に「今かけている時間」と「本来かけるべき時間」のギャップを把握し、効率化を進める
・一つの業務を複数人で担当するよう、チームの組み方を工夫する

といった組織的な取り組みが必要です。

労働時間の適正管理が義務付け

「そもそも労働時間を管理してこなかった」という企業や「フレックス制や裁量労働制だから、労働時間管理は必要ない」といった誤解をしている企業も多くあります。

今回の法改正の範囲には、裁量労働制の対象者や管理職であるマネジャー自身も入ります。

また、「勤務間インターバル」といって、前日退社した時間から一定程度の時間が経過しないと業務開始させてはならない、つまり前日の仕事と当日の仕事との間に休憩時間をはさまねばならない、という制度も導入も検討されています。

インターバル制はヨーロッパでは既に実施されており、ルール適用の前提として労働時間の適正管理が必要になる、というわけです。

タイムカードやICカードなど、会社として労働時間を管理する仕組みがあるでしょうか? そしてメンバーはきちんとその仕組みを使っているでしょうか? マネジャーはそれをきちんとチェックする必要があります。

・毎週水曜日の午前中に退社時刻を確認する、などの予定をつくる
・残業時間の上限規制を踏まえ、「5日と末日に労働時間の予定を部署内で共有する」

などするとよいでしょう。

これらの改正ポイントは、いきなり環境を整えたり変化を出したりするのが難しい分野でもあります。

実際の改正案はまだ議論の途上にありますが、こうしたポイントについて早めにチームや部署で議論し、みなさんの職場にあった仕組みを整えていきましょう!

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